「大丈夫? 手伝いましょうか?」
「いいえ、大丈夫、大丈夫。」
忙しくてパニックになってる私に、周りの人たちはこんな言葉を掛けてくれた。
なのに、私はいつも
「大丈夫、大丈夫。」
本音を言えば、「大丈夫じゃない!」
それでも、差し伸べられてる手をことごとくはねのけていた。
状況はどんどん悪化していく。自分だけではこなすことはムリ。
それでも「大丈夫、大丈夫。」だった。
手伝ってもらったら、なんだか相手の時間を取ることになるから
悪いなあ。
その頃は相手への気遣いのつもりの“お断り”のつもりだったのだけど、
本当のところは何だったんだろう?
Q:もし、手を貸してもらったらどうなるのか?
・相手の時間を奪う
・自分のペースが乱れる
Q:他には?
・人に“手間のかかる人”だと思われる
・自分が失敗したこと(できなかったこと)を認めることになる
・手伝いながらも、その人が私をどう見ているのかが怖い(評価される)
ああ。怖いんだ、わたし。
ニコニコしながら手伝ってくれているその人の心の中は、もしかしたら
(もうっ、いい加減にしてよ!こんなこともできないの!)
怒ってるかもしれないし、
(はあ・・・この人“できる”ように見せてるけど、実は能力ないのね)
苦笑している、バカにしているかもしれない。
自分の能力のなさを人に知られるのが怖かったのね。
ってことは、「誰が能力がない」って思ってる?
それは紛れもない私自身。
だから強がって、自分を大きく見せて、“できる人”を演じて
バレないように、バレないように生きてる。
だからこうやって時々つまづくと、やっきになって、「大丈夫、大丈夫」って
“能力のない(と思っている)自分”を覆い隠そうとしてしまう。
こういう生き方って、本当に疲れる。
ごまかしの上塗りばかりしてるから。
「大丈夫、大丈夫!」って言わないことにしてみた。
一人じゃ無理なんだから、素直にヘルプを頼もう。
最初から「ヘルプミー!」って言えなかったから、口ごもってしまった。
するとそれを察して、手伝ってくれた。
「これは、こういうふうにやったほうがいいんじゃない?」
確かにそうだ。その方が効率がいい。
私一人では気づけなかったアイデアがどんどん打ち出されて
行きづまっていた方向に光が見えた。
「ありがとうございます。」
心の奥に少しの痛み、罪悪感を感じながらも、感謝の気持ちが湧いてきた。
「大丈夫!」じゃなくていい。
「大丈夫」に限りなく近づきたいけど、できないときだってある。
そんなときは、差し伸べられた手に感謝しながら、
「よろしくお願いします」って言える素直さを持ちたい。
私の最近の言葉。
「いいんですか?! ありがとうございます!」(ラッキー!)
昨年末のゴスペルコンサート。半年前まではこの劇場の客席にいた私。
表現するって、やっぱりいいねえ♪



